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衆院解散とハニートラップ

Posted by Ikkey52 on 18.2012 エスピオナージ   0 comments   0 trackback
無人島で生き残る『ロビンソン・クルーソー』と、不死身の好色スパイ『007』。一見まったく無関係に見える2つの物語には不思議なつながりがある。『ロビンソン・クルーソー』を書いたのは、十八世紀のイギリスで名を成した小説家のダニエル・デフォー。実はこの男、小説家になる前は本物のスパイで、諜報大国イギリスで工作員の祖とされる人物だった。
イングランドとスコットランドはある時期まで厳密な国境で分かたれ、それぞれに別の国会を有する独立国だった。統一を望んだのはイングランドほうで、スコットランド国会では反対論が強かった。イングランドのスパイ、デフォーはひそかにスコットランドに潜入、統一反対派のかく乱にあらゆる工作を重ね、ついに合邦を成立させた。

美人スパイの得意技は甘い誘惑と相場は決まっている。いわゆる「ハニートラップ」という古典的罠は、戦後もイギリスの政官界をよく揺るがしたものだが、日本も例外ではなかった。龍サマと呼ばれ国民的人気を誇った首相経験者、橋本龍太郎が再起を図れなかった理由がまさにそうだといわれるし、総理の野田から「近いうちに解散する」と重大な言質を取りながら、総裁再選を賭けた大勝負から降りざるを得なかった谷垣禎一の弱みもそこにあったとされる。罠を仕掛けてきたのはいずれも中国。チャイナドレスの威光恐るべしだ。

外交暗号に接する立場にあった上海の日本総領事館員が、現地女性との交際をタネに中国政府公安筋を名乗る人物から脅され、それを苦に自殺する事件が2004年にあった。表では良好な二国間関係を謳いながら、裏では非合法な手段で、日本の外交暗号を狙ってくる気味悪さ…。国際政治のリアリズムを垣間見たような思いだった。当時の官房長官は、のちに総理に上り詰める福田康夫。当然日本政府は、中国に対し国際法に違反する行為があったと再三抗議していたというが、福田はその事実をがんとして認めなかった。単に中国側に貸しをつくったにすぎないのか、それとも、政官界の下半身問題をまな板にのせると、もっと手痛いしっぺ返しが中国から予想されたからなのか。そこには知られざる日中外交史の重大局面があったはずだ。
衆議院の解散によって、政界大物の引退が相次ぐ。福田も、羽田孜、森喜朗とともに政界を去る。彼ら首相経験者のなかには、サービス精神の旺盛さが裏目に出て、マスコミに片言隻句を頻繁に捉えられ叩かれた人物もいる。福田の場合は、国民の目や耳の代わりを務める記者たちに日頃から高圧的にあたり、しかも終始秘密主義であった印象が深い。「言わぬが花」を信条にしているらしいことや、首相就任の経緯にしてもワンポイント的であることから、回想録の出版も期待薄だ。中国スパイによる上海領事館員脅迫事件の真相は、結局闇に葬られてしまうのだろうか。
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