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我流で読み解くシンガポール米朝首脳会談

Posted by Ikkey52 on 14.2018 政治   0 comments   0 trackback
 「世界中が茶番劇に振り回された」。シンガポールで行われた米朝首脳会談を現時点でそう総括しても、強い反論はないだろう。無理やり評価点を探すとすれば、朝鮮半島で武力行使が行われる可能性が当面のところは遠のいた、ということのみだろうか。いや、内外メディアの評価を総合すると、それすら怪しいということになる。

虎金会談
Photo by:Reuters/Aflo from Diamond Online

取材対象がたかだかバイ(二国間)の会談なのに、NHKは100人、BBCに至っては200人を現地取材に動員したとされる。表向きの結果からみると、サプライズがあるぞとトランプ政権に匂わされ、それを無邪気に信じて大デレゲーションで臨んだ各国のメディアの骨折り損だ。株を挙げたのは、たっぷり外貨を落としてもらった上に、ちゃっかり世界規模の観光PRにも成功した開催地シンガポールだけに見える。

 合意文書のつまらない内容は、ソン・キム駐フィリピン米国大使と崔善姫北朝鮮外務省副相ら事務方の事前協議であらかじめすり合わせが行われたものだろう。文面に現れないところで、何が話し合われたかが問題だ。そもそも米朝の首脳が直接顔を合わせるというシナリオは、誰によって何の目的で書かれたか。会談設定当時まで遡ってみると、説得力ある解説が見つかった。共同通信外報部で英語のニュース記事を多読し、その読み解きを職業としてしまった田中宇(さかい)の分析だ。

 トランプと金正恩が会い、和解的な共同声明を出せば、米議会に抵抗があっても、米朝の対立は大きく緩和される。少なくとも、敵でも味方でもないという関係が作り出せる。そうなれば北は米国を気にせず南との和解に歩み出せる。南北が和解すると、在韓米軍の必要性も低下する。「世界の警察官」役を降りると宣言して大統領になったトランプの立脚点は多極主義、反軍産複合体だから、トランプの狙いはそこだ。実際、トランプはシンガポールでの記者会見で在韓米軍の撤退に言及した。本音は見えていたのだ。

 「かつてレーガン大統領は側近陣に好戦派を配置し、当初ソ連を『悪の帝国』と呼んでことさら敵視したが、最後はソ連と決定的に和解し、軍産複合体が永続化したかった冷戦構造を終わらせた。トランプにとって今回の米朝首脳会談の設定は、レーガンがゴルバチョフとの会談・和解を決定した『レーガン的な瞬間』である」と田中は予測した。
 
 CVIDという省略形は、イラク戦争の際、「完全かつ検証可能で、不可逆的な武装解除(Disarmament)」と解され、以来、米国が気に入らない国を潰す時に押し付ける条件として事実上知られるようになった。同じ略語が北朝鮮に使われる場合は最後Dが非核化(Denuclearization)に変わるが、アメリカがCVIDを正恩に迫れば、北は「どっちにしろやられるのだ」と硬化しかねない。その証左に、「リビア方式でやるぞ」と、ハードライナーのボルトン大統領補佐官が観測気球を上げたところ、北は滑稽なほどの慌てふためきぶりを示した。北の暴走でソウルが火の海になれば、朝鮮半島のことは南北朝鮮の間で解決させたい多極主義者のシナリオは狂う。だから、シンガポールの首脳会談はああした形に納まったのだ、と解すれば、たしかに無理はない。
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