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マスメディアと長時間労働規制…杓子定規の受け入れに潜む罠

Posted by Ikkey52 on 12.2017 ジャーナリズム   0 comments   0 trackback
 外食産業などの長時間労働問題がテレビや新聞を賑わすたびに、なんともいえない居心地に悪さを覚えてきた。およそ速報性を求められるマスメディアの表現は、内容の硬い柔らかいに拘わらず、そこで働く人たちの恒常的な長時間労働に支えられてきたことを、身をもって知っているからだ。ろくに休日さえとれない劣悪な職場環境を舞台裏に抱えながら、どのツラ下げて偉そうに、他社、他業種の長時間労働を叩けるのか、という思いがいまも自分には強い。 

 一昨年暮れに自殺した電通の女性新人社員の事件が、昨年秋に労災と認定された。電通本社には、厚労省の通称「カトク」と呼ばれる過重労働撲滅特別対策班が強制捜査に入り、トップが引責辞任する事態に発展した。業界内には、この女性社員の自殺を巡って、世上伝えられているものとは別の引き金があったのではないか、との見方が依然くすぶっているが、ここでは措く。鬼十則の社訓が示すとおり、電通という会社には、古くから「がむしゃら」な働き方を称揚する風土があったのは事実だからだ。

 この四半世紀に表沙汰になった電通社員の過労死は3件目だが、闇に葬られた過労死もどれだけあったか。昨年暮れには、市民団体が選ぶ「ブラック企業大賞2016」に電通が決まり、晒し者にされた。恥ずかしい話だが、日本では電通の実態に触れること自体、一種のマスコミタブーになっていた。その気にさえなれば、自社に不利益な報道を力づくで捻り潰すこともできる強面企業が、長時間労働是正を巡る一罰百戒の対象として、スケープゴートに供されようとはだれが予想したろう。厚労省の本気度がうかがい知れる。

 電通本社の摘発という落雷を、かつてない深刻さで受け止めたマスメディア各社は、いま一斉に長時間労働解消に奔走し始めた。特にテレビ局内部の締め付けは極端だという。しかし、そこには考えなければならない問題がいくつも横たわる。例えば報道機能は、市民の知る権利に奉仕するものだ。報道部門に夜討ち朝駆け禁止令が出た社もあると聞くが、それで報道機関の使命が従来と変わらず全うできるのか。市民の付託に応えるに足る権力監視ができるのか。

 そもそも取材というのは、膨大な無駄打ちの積み重ねだ。効率的取材を考えない取材者はいないが、効率だけを優先すると取材は勢い粗くなるものだ。緻密な取材は、どうしても一定の時間を費やすことで担保される。ドキュメンタリーの現場など無駄の山で、大の大人がチームを組んで、日がな一日取材対象に張り付いても、1秒のOKカットさえ得られない場合が珍しくない。今後のドキュメンタリー制作は鬼っ子扱いされなねない。

 テレビニュースは、自ら企画し、放送日を決めて、それに間に合うように取材するものと、突発事態を待ち構えて、追いかけるものとがある。後者の場合、待機部隊を厚くすることは不経済だから最小限しかいない。そのマンパワーで間に合わなければ、非番のスタッフを呼び出すことになるが、呼び出しは原則として代休付与とセット。躊躇する心理がニュースデスクに働かないとはいえない。その結果、人手不足による不完全な取材を見せられて、知る権利を十全に行使できなくなるのは視聴者(市民)の側だ。

 長時間労働の是正それ自体は正論だ。しかし、労働法制上の規制を杓子定規にマスメディアにまで適用するのは、かなり危ないことだ。もともとマスコミ嫌いといわれる安倍総理が働き方改革に強い姿勢を見せているのは、まさかマスコミ苛めの搦め手か、と勘繰りたくもなる。ともあれ、マスメディアの側に相当の腹の括り方が求められる時代であることは確かだ。
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