Loading…

スポンサーサイト

Posted by Ikkey52 on --.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

持論に溺れた東芝の落とし穴

Posted by Ikkey52 on 27.2017 原発   0 comments   0 trackback
 日本を代表する大メーカー東芝が巨大損失を抱えて、生きるか死ぬかの瀬戸際を彷徨っている。その原因となったのは、買収した米原発子会社ウエスチングハウス(WH社)が抱え込んだ負債だ。ではなぜ、WH社が大きな負債を抱えるに至ったのか、明確な情報になかなか出会えなかった。月刊誌グリーンパワー5月号のコラム「環境ウォッチ」が、そのからくりをわかりやすく解説しているので紹介したい。

 アメリカでは1979年のスリーマイル島原発事故が負の教訓となって、長く原発の新規発注が途絶えていた。しかし2005年、エネルギー自給率の向上を目指すブッシュ政権が新しいエネルギー政策法を制定したことで、状況は一変する。新規原発は、建設後の最初の600万キロワット分(原発約6基に相当)の発電量について、1キロワット毎時当たり、1.8セントの税控除を8年間に渡って受けられることになった。

 「アメリカで原発建設需要が弾ける!!」。東芝は色めきだった。もともと自社は沸騰水型炉に強い。一方、WH社は加圧水型炉に強みがあった。WH社を取り込むことができれば、「世界規模で原発建設市場を席捲するのも夢ではない」。東芝は、アメリカにエネルギー政策法ができた翌年、約6000億円という巨費を投じてWH社を買収した。同時期、三菱重工もWH社買収に乗り出していたが、東芝の提示額は三菱の実に倍だったという。こうして東芝傘下に入ったWH社は2008年、アメリカで4基もの原発建設を受注した。

 ところが好事魔多し。受注後まもなく、リーマン・ショックが世界経済を揺るがした。その後も、日本のフクイチ事故(11年)、アメリカのシェール・ガス革命と、4基の新設にとって大逆風が吹き続けた。しかも工事は遅れた。1.8セントの税優遇を得るには、2020年の運転開始というタイムリミットを守ることが条件になる。もし、税優遇がなくなれば、1基あたり確実に見込める1000億円以上の恩恵が泡と消える。

 東芝にとって想定外の不運は確かにあった。とはいえ、東芝の真の過ちは、原子力発電というものの世界的将来性を読み違えたことではなかったか。特にフクイチ事故以降、原発の安全対策費は建設コストを激しく押し上げた。原発大国フランスでさえ、2012年の運転開始を見込んだフラマンビル原発3号機が、建設費高騰のため、いまだに完成を見ていない。フランスのアレバ社と組んでフィンランドの原発建設を手掛けていたドイツ・シーメンス社は、建設費が倍になって、完成の目途が立たないので、アレバ社との提携を解消し、原発建設ビジネスそのものから撤退した。日本の原発輸出を受け入れたかに見えたベトナムも、あっさり建設計画を撤回している。

 EU諸国の大勢は、様々なエネルギー源を相対化し、競争させて発電コストを抑える方向に踏み出している。民主主義国のなかで日本のように強力な原発依存策を維持している国はむしろ例外だ。あらためて指摘するまでもないが、発電コストを比べれば、廃炉や廃棄物処理費用まで含めた原子力発電は、他のエネルギー源利用の発電に全く太刀打ちできないし、そもそもエネルギーとしてクリーンでもない。
 持論に溺れる人間は誰しも、あっけなく墓穴を掘るものだ。秀でた人材が蝟集する不沈艦のような大企業といえども、足元の砂の小さな崩れに気づく感性を欠けば、「持論に溺れる」という死角にやすやすと入ることになる。
スポンサーサイト


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://ikkey52.blog27.fc2.com/tb.php/388-99ff64ad

プロフィール

Ikkey52

Author:Ikkey52
ジャーナリスト 札幌生まれ
父方は、奈良十津川郷系+仙台伊達藩亘理系。母方は東三河豊橋系+肥前鍋島藩系+加賀藩系

ショッピング

トラベル

オークション

最新トラックバック

ラビリンス

デラシネ通信

ブログランキング

ブログランキング

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。