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邪推したくもなる長時間労働規制の真の狙い

Posted by Ikkey52 on 11.2017 ジャーナリズム   0 comments   0 trackback
 広告最大手の電通で起きた女性社員の長時間労働自殺は、使用者責任の立件から、ついに社長の辞任にまで波紋を広げた。これで一件落着かと思えたが、厚生労働大臣は、社長の辞任で済む問題ではない、と釘を刺した。他国に比べ長過ぎるといわれるこの国の労働慣習に、監督官庁として徹底して切り込むという決意の示唆だろう。

 各地の労働基準監督署でもフル稼働が始まっていると聞く。労基署は通常、就業規則や労使間の三六協定が順守されているかどうか調べるために、臨検といわれる抜き打ちの企業立ち入り検査を行う。それが最近では、電話で「勤務簿を届けてほしい」と言ってくるという。人出が足りず、窮余の策らしい。たしかにワークライフバランスとか、イクボスとかいう概念が芽を吹いているのはわかるにしても、これまで少なくとも法令で許されてきた範囲の時間外労働を、あえて今、厳しく取り締まるのはどういう意図からなのか。

 暴力で無理に従業員を縛り付け、長時間労働に狩りだすのは「タコ部屋」だが、 「ブラック企業」なるネーミングが生まれるはるか以前から、従業員に常識外れの長時間労働を課す悪質企業はいくらでもあった。もちろん、そんな企業に人材は居着かず、次々と辞めてゆくから、社会問題というほどのこともなかった。

 問題になるのは、長時間労働の見返りとして、①高報酬、②組織の一員としてのプライド、③使命感や正義感、功名心の満足、といった働く側の気持ちをくすぐる対価がある場合だ。仕事が辛い、体がしんどい、という理由で勤務先を辞め、出直しを図る人間は珍しくもない。また転職、転籍によって自分にあった職場を見出せた人も数えきれない。自殺した電通社員は、なぜ精神を病んでなお会社を辞めようとしなかったのか。その理由は①か、②か、あるいは③なのか。その点、電通告発の震源となった故人の母親は何も語ってくれない。

 長時間労働で真っ先に思い当たるのは企業内ジャーナリストだ。ジャーナリストが仕事をやめない理由は明らかに③だ。一度③に囚われてしまうと、その味が忘れられなくなるという意味で、彼らは自らの商売を覚せい剤中毒に例える。会社に属しながらも、強いられて働かされているという観念からは、かなり遠い感覚を持つ。熱中すればするほど、時間はあっという間に経過する。締め切りが迫ればそれに加速度がつく。しかも、無駄打ち、空振りが当たり前の世界で、時間効率は悪いものだというあきらめが先にある。そのうえで、「知りたい、ライバルより一瞬でも早く、一寸でも深く…」となる。こうした職業観のもとで、権力が隠したがる社会的、政治的に有用な事実が暴露され、判断材料としてはじめて市民に供することができる。そこまでたどり着いたとき、あらためて民主主義の基礎部分を担う自負が強まるという循環だ。

 怖い話だが、テレビ、新聞、雑誌を問わず、多くの報道機関が、こんどの労基署の攻勢に心底身構え、時間外労働を厳しくチェックし始めたと聞く。これまで背伸びしてようやく手が届いていた棚に大スクープがあったわけで、背伸びをやめれば届かなくなるのが道理だ。思えば安倍晋三は、第一次政権当時、マスコミに強い批判感情を持つ政治家として知られてきた。第二次政権ではそうした強面ぶりはあまり見せていないが、ひょっとしたら「マスコミ殺すにゃ刃物はいらぬ、長時間労働規制があればよい」と気づいたのかもしれない。そういえば、労働行政を司る厚労省トップは、安倍のお友達中のお友達とされる塩崎恭久…。過去にどんな官庁も手を突っ込めなかった国内最大のブラック・ボックス企業、電通に臆せず切り込んだ気概や良しだが、同時に国内各マスコミに電通依存体質が抜きがたくあるのも事実だ。そんなことも、一連の取り締まり強化の真の狙いはマスコミ弱体化ではないか、と邪推したくなる一因だ。

 
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