Loading…

スポンサーサイト

Posted by Ikkey52 on --.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

”恐怖の質”考…墺映画「グッドナイト・マミー」

Posted by Ikkey52 on 12.2016 映画   0 comments   0 trackback
 日本は世界に誇るお化け大国だが、怖いもの見たさという人間感情は万国共通らしく、欧米各国にも様々な伝説、説話、怪奇小説の類いが残されてきた。ドラキュラやフランケンシュタインは、いってみれば映画開花期が生んだ偉大なホラー・スターの欧米代表だ。

 アメリカの映画やTVドラマを考えてみると、閉鎖された精神病院がホラーの背景に選ばれるケースが珍しくないのに気づく。医療行為というれっきとしたサイエンスの現場を、恐怖の舞台装置として好んで受け入れる国民性が面白い。

 実際、1960年代のアメリカでは、精神病者を病院での拘禁から解き放ち、地域社会でケアすべく国策の大変更を図ったことから、多くの精神病院が閉鎖の憂き目にあった。ただ、その政策は結局根付かず、強制退院させられた患者たちの多くはホームレス化した。もとよりアメリカの精神病院は宅地から遠く離れた郊外に立地するところが多かった。閉鎖され荒れてしまえば買い手もつかない。そこに、行き場のない患者たちが入り込んで無断で住みつくケースもあり、迷惑がられ、ときには恐れられた。

 他の医療分野に比べ、精神医学にはまだ未解明部分が多い。アメリカ社会では、科学でわりきれないことは、宗教でわりきろうとする。宗教でもわりきれないことは、悪魔の仕業と解釈するしかない…。病院跡地に打ち捨てられたセピア色の家族写真や、使い古されたぬいぐるみに、アメリカ庶民が亡者の狂気を連想するのは、そうした心性によるのか。

 怪しい病院跡地も亡者や怪物の影も出てこないオーストリア製ホラー映画「グッドナイト・マミー」は超低予算作品。出番のほとんどを母と子(男の子の双子)の一家3人が占め、その舞台は3人が住む郊外の超モダンな一軒屋にほとんど限定されている。正面に美しい湖を望む一軒家は、見渡す限りのトウモロコシ畑と隣接し、双子は自然のなかで転げまわって遊ぶ。

 冒頭からインパクト十分なのは、ミイラ並みに包帯を巻きつけた母親の顔。交通事故に遭い退院してきたばかりだ。見た目の異様さに、素直に胸に飛び込めない2人のわんぱく盛り。優しく動物好きだった母親の性格も残忍なものに一変していた。双子の少年たちは包帯女が実の母ではなく、他人の成りすましではないかと疑いを深め、問い詰めようと策を練るが、包帯女と対峙するとき、なぜかいつも双子の片割れの影が薄い。包帯女のほうも、まるでその子の存在が見えていないかのようにふるまう…。

 ネタバレを恐れずにいえば、最初から嘘だったとか、最初から死んでいたとか、語り口自体にどんでん返しがあるサイコ・スリラーの系譜といっていい。この映画全体を通して、少年たちに妙な影が差しているわけではなく、むしろ無心で遊ぶところなど子供らしくて実に健康的なのだが、問題は双子であること。「シャイニング」をはじめ、双子を不気味なものとして捉えたホラー映画は過去にいくつもあり、洋の東西を問わない。双子の兄弟の精神的繋がりは科学で説明できないほど密接な場合があるという。テレパシーというか、死後交信というか、そういうものに対する想像力を、観る側は求められるのだろう。
スポンサーサイト


  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://ikkey52.blog27.fc2.com/tb.php/367-8acb1329

プロフィール

Ikkey52

Author:Ikkey52
ジャーナリスト 札幌生まれ
父方は、奈良十津川郷系+仙台伊達藩亘理系。母方は東三河豊橋系+肥前鍋島藩系+加賀藩系

ショッピング

トラベル

オークション

最新トラックバック

ラビリンス

デラシネ通信

ブログランキング

ブログランキング

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。