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「炎上」加速に手を貸すテレビのネット依存

Posted by Ikkey52 on 25.2016 テレビ   0 comments   0 trackback
 幸いなことに自ら「炎上」を体験したことはないが、ネット上で袋叩きになる恐怖は容易に想像がつく。自分の意見表明が、不特定多数の人間を刺激し、彼らから一斉に責め立てられ、恨みを買っていると思えば、日々の生活も安心して営めない。それにしても、実際に「炎上」に加担する、いわゆる「ネット住民」の素顔はどんなものなのか。

 名乗りもせず、未見の相手を罵倒する卑怯者たちの実像は、国際大学の講師山口真一の面白い論稿に仄見えていた(『GALAC』9月号特集「ネット世論と炎上のメカニズム」)。それによると、2014年に山口らが行った2万人対象の調査で、炎上に関して、過去一度でも書き込んだことのある人はネットユーザーの1.1%しかいなかったという。炎上事案の攻撃者はごくごく少数者だというのだ。2ちゃんねる管理人ひろゆきは、2ちゃんねる上のほとんどの炎上事件の実行犯は5人以内であり、1人の場合もあると述べている。ジャーナリスト上杉隆は、自身のブログを炎上させた700コメントのIPアドレスを調べたところ、コメントしていたのはたった4人だったという。事実だとすれば、幽霊の正体見たり、だ。

 ネット上の「炎上」が、自分の正義感に酔っぱらった、ごく少数の連中によってなされてきたとすれば、かなり気は楽になる。彼らからの罵倒は、けしてサイレント・マジョリティを代表するものではないからだ。しかし、世の中では「炎上」が引きも切らない。NHKスペシャル『#不寛容社会』によると、世間で話題になった「炎上」だけでも年間1000件以上あり、この5年で10倍の勢いだという。なぜか。

 テレビがネット炎上を加速させている、というから問題の背景は複雑だ。法大の准教授藤代裕之によると、テレビの制作者がネタ探しの一環として、いわゆるミドルメディア(まとめサイトなど)で「炎上」というキーワードをチェックし、それを「ネットの声」として取り上げた結果、騒ぎは大きくなるというのだ。「何らかの意図を持ったネットユーザー側からすれば、このような炎上の構造を理解していれば、騒ぎを起こしてマスメディアに報じさせることで、個人や企業に打撃を与えることが可能になる」(『GALAC』9月号特集「テレビが“ネット炎上”を加速する」)。

 最近のテレビのニュース・シーンは、洋の東西を問わず、視聴者の投稿動画が大手を振っている。しかし事実確認を軽視し、速さだけを追い求めると、大やけどする。実際、フジテレビは東武東上線の事故映像に見せかけたインドネシア鉄道事故の一コマを掴まされ、うっかり放映してしまうというチョンボを演じた。ネット上に「炎上」の文字を探し、安易にテレビのネタに仕立てる脇の甘さは、それと通底している。

 藤代がテレビスタッフの情報源と見るミドルメディア(まとめサイトなど)は、ネット上で市民権を得ていても、運営会社さえ不明の胡散臭いものが多い。しかも、たいていは最初からメディアとしての自覚はなく、アクセスを多く集めればいいと割り切って、ガセネタを伝えても謝りもしない。まれに「取材」と称して事案の当事者にアクセスしてくる場合もあるが、真面目に対応してしまったばかりに、捏造記事を飛ばされ、かえって信用を傷つけられた企業を自分は実際に知っている。テレビというマスメディアで働く人間が、メディア・リテラシーを問われるというのは、しゃれにもならない。
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