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Nスぺ報道”北朝鮮極秘ファイル”の値段と中味

Posted by Ikkey52 on 06.2016 ジャーナリズム   0 comments   0 trackback
 パナマ文書の暴露でいくつか思い起こされたことのひとつに、体育館一杯の秘密文書でも電子メディア内に圧縮保存されている場合、その持ち出しがいとも簡単にできてしまうというデジタル社会ならではの無防備さがあった。

 NHKスペシャル「北朝鮮“極秘ファイル”知られざる国家の内幕」が扱ったのは、NHKが独自入手したというUSBファイルの中味。売り込んできた北朝鮮の貿易会社員を名乗る男とは台北のレストランで接触、日本円で300万円を支払った。取引前に初歩的な真贋の見定めがあったはずだが、それは省略されている。

 USBを開いてみると、1万2千ページにも及ぶ北朝鮮軍関係の文書が詰まっていた。それらを解析するため、尚美学園大総合政策学部教授の鐸木昌之のもとに、元在韓米軍情報将校や元公安調査庁の北朝鮮情報分析のプロらが集まって知恵を寄せ合った。ファイルに使われていた独自のOSを読み解いたのは元米軍情報将校だった。あぶりだされた軍事施設の見取り図、北朝鮮の高官の氏名等々は、ファイル内の文書が書かれた2011年~13年にかけての状況と合致、金正日から金正恩への権力移行期の北の内幕を示す本物と断定された。

 文書の出所として疑われたのは北朝鮮軍組織部。金正恩の指示を作戦部隊に伝え、逆に作戦部隊内部の動きを吸い上げ正恩に報告するパイプ役の部署だった。権力継承直後、作戦部隊への求心力不足は正恩を苛立たせ、ついに「山の中で針一本落ちても報告せよ」と組織部に厳命する。リビアの独裁者カダフィが自国兵士に殴り殺された映像が流出したときには、謀反に心底怯えた。これは社会主義国ルーマニアの最後の大統領チャウシェスクが公開処刑されたのを受けて、中国・黒竜江省内に逃亡先を用意していたという父、正日のエピソードを思いださせた。高射砲を備えた北朝鮮国内の軍の配置図からは、まるでハリネズミのような防衛網が見えるが、意外だったのはピョンヤン周辺の空白であり、それは軍の反乱を恐れる正恩が大部隊を近くに置きたくないからだ、との解説には合点が行った。

 しかし、北朝鮮“極秘ファイル”の入手を通じて、新たにどんな重大情報がわかったのか、とあらためて番組全体をふりかえると、実は心もとない。北朝鮮軍の窮乏も、核兵器を安価な武装手段と現政権が見ていることも、粛清の恐怖を利用して高級軍人を含む国家の指導層を繋ぎ止めている実態についても、旧知の情報ではないか。韓国に逃げ込んだ脱北兵士に元同僚が軍服を送ってきて「10万円で買ってくれ」と頼んできたエピソードや、正恩が軍に自給自足を促すにあたってマメとヤギを育てよ、と命じた件などは、埋め草でしかなかろう。番組の最終盤、取材班がモスクワに飛び、ロシアの専門家に入手した新情報をぶつけインタビューした映像が差し挟まれるが、内容は乏しくアリバイ的で、番組を権威付けるための厚化粧にしか見えなかった。300万円という“極秘ファイル”の値段も冷静に考えれば随分中途半端というしかない。したたかな売手は、手元の情報価値を熟知し、国家の情報機関に売り込もうとすれば、足元を見られると警戒したのかもしれない。

 もちろん、作り手であるNHKの取材班が、1万2千ページのなかから、メガトン級の衝撃情報を見つけ出していながら、それを報じた場合に起こり得る損得勘定を考え、あえてリスクを取らなかった可能性もなくはない。ただ、中国には腰が引けてしまうNHKも、北朝鮮ならあれこれ慮ることはないはずだ。結局、“極秘ファイル”の謳い文句につい過大な期待を寄せたのが野暮だったのかもしれない。 
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