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南北軍事境界線は自然の楽園…休戦60年余の皮肉

Posted by Ikkey52 on 05.2016 北朝鮮   0 comments   0 trackback
 怪我の功名とは聞くが、いつまでも片付かない戦争にも功名があったとは知らなかった。あの「お騒がせ」北朝鮮が国連軍とことを構えたまま、膠着状態になって久しい南北軍事境界線の非武装地帯(DMZ)が野生動植物の楽園になっているというのだ。

 1953年に休戦した朝鮮戦争は、北緯38度線を基点として片側2キロ、つまり南北幅4キロ、総延長250キロに及ぶ非武装地帯(DMZ)を生み出した。境界線は頑丈なフェンスと地雷原に守られて人が入り込む余地はない。60年余も続く双方のにらみ合いの間に、かつては私有地もあったDMZ内に自然の植生が完全に戻り、それを心地よい生息地としてジャコウジカ、アジアクロクマ、タンチョウヅルなどの絶滅危惧種を含めた動物や昆虫が遊ぶ。

 羊とも鹿ともつかないゴーラルも、このDMZ内では生息が確認されている。天敵が近づけない絶壁を好む珍獣で、かつては江原道雪嶽山から忠北堤川郡月岳山にかけて、慶蔚珍郡通古山に至るまで、太白山脈の高い山岳地帯で確認されていたが、いまは韓国領土から完全に消えたと信じられている。
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:W0Z552qLYScJ:www.korea-dmz.com/jp/n/vn/nvn300_jp.asp+&cd=9&hl=ja&ct=clnk&gl=jp&lr=lang_ja

 1992年にリオデジャネイロで開催された国連の「環境と開発に関する会議」をまえに、この地域を南北の自然保護区にしようという提起がなされた。当時のアナン国連事務総長に北朝鮮が設置を打診し、韓国が歩調を合わせたのだそうだから画期的な話だ。もちろん、いまそうなっていないのは、北朝鮮の提案取り下げによる。彼の国にとってあらゆる国際的意思表示は戦争の一戦術なのだ。

 『グリーン・パワー』2016年3月号に寄稿した東大の田中俊徳によれば、南アフリカの岩窟王で大統領に上り詰めたネルソン・マンデラと、CNNの創始者であったテッド・ターナーは、DMZに関心を寄せ、平和の構築と自然保護を目的として「越境保護区」なるものの設置を提唱していた。その流れで、ターナーは2005年に南北朝鮮を訪問し、平和条約締結と共にDMZを自然保護区にするよう促してもいる。しかし、DMZについては、簡単な審査で済むユネスコの生物圏保存地申請さえすすまない。

 自分の記憶をたどると、板門店は南北双方の展望施設の間が少し谷状になっており、そこに青く塗られた質素な平屋建ての「軍事停戦委員会本会議場」が置かれていたように思う。室内は会談用のテーブルとマイクがあるだけで、いたって殺風景だ。その中心に南北境界線が走っている。さっそく跨いでみたが、別に何か起こるわけでもない。そんな馬鹿をやっている暇があったら、遠望でもいい、DMZをなぜ一目でも見てやろうと注意を払わなかったのか、まったくもって情けない。
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