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あらためて考える”水爆”北朝鮮と中国・東北3省の関係

Posted by Ikkey52 on 08.2016 北朝鮮   0 comments   0 trackback
 テレビ・ジャーナリストたちが集まって、北朝鮮情勢を考えるこじんまりした勉強会を開いたことがある。金正日時代の話だ。北朝鮮を巡る国際関係論では当時第一人者と目されていた学者が講師の要請を快く受けてくれた。聞き方はそれぞれ異なったが、何人かが同趣旨の質問を講師に浴びせた。「先生、結局北朝鮮はなぜ崩壊しないんでしょう?」と。

 さまざまな席で何十回、何百回と同じ質問を受けてきたはずの講師は、よどみなく即答した。「誰も望んでいないからです。アメリカも、日本も、韓国も、中国も、ロシアも。一国の崩壊によって出てくると予想される膨大な数の難民を周辺国は受け入れたくないからです」。質問者たちの念頭には、飢餓に瀕する超カルト国家の、やせ細った子供のイメージがあったに違いないが、返ってきたのは身もふたもない国際政治力学だった。

 新年早々、世界の耳目を集めた北朝鮮の「水爆」地下核実験。マスメディアは北京、ソウル、ワシントンの特派員はもとより、各国の識者、専門家を総動員して、その真意を忖度しにかかっているが、いずれも歯切れが悪い。

 仮に、北朝鮮という国が、例え消極的理由からにせよ、「潰れてもらったら困る」と考える国々に周囲を囲まれた、地球上でもまれな幸運な国家だと考えればどうだろう。「水爆」実験をやろうと、長距離ミサイルをぶっ放そうと、路上で不貞寝を決め込んだ駄々っ子のようなもので、通りがかった近所のおばさんに抱き起してもらうのを待つだけでよく、間違っても踏みつぶされて死ぬ心配はない。多少の軋轢を我慢して、それで国内が引き締まるのであれば、十分おつりがくる…。そんな風に北朝鮮指導部は居直っているような気がする。

 昨年秋から年末にかけて、北朝鮮から何隻もの難破した木造船が日本の沿岸に漂着した。上納金を納める見返りに、資金稼ぎの軍からお墨付きをもらい、波の荒くなる日本海で危ない操業を行っていた北朝鮮漁民が乗っていたと見られ、難民とは違うが、北朝鮮が壊れれば、そんな木造船が難民たちを乗せて日本海に漕ぎ出し、韓国を、あるいは日本を目指すだろう。

 中東からの難民が、引きも切らずなだれ込む欧州の悪夢を想起せざるを得ない。世の中に「難民発生予想」などというデータはありえないが、「北」から輩出する難民を最も恐れているのは言語が同じ韓国のようにも見える。ところが、一説によれば、食糧不足におびえる中国が、将来の大食糧基地と頼み、期待にたがわず年々穀物生産量を上げている東北3省への、難民大量流入を最も懸念しているのだという。

 かつて、中国・牡丹江に近い寒村を取材したとき、村長が犬肉鍋で大歓迎してくれた。そこは朝鮮族の村だった。朝鮮では犬肉は夏場の栄養食。肉汁が靴に一滴落ちても元気になる、と言い伝えられる。民族の食文化の伝承がたしかにそこにはあった。東北3省が朝鮮民族のもうひとつの後背地だったことを改めて知らされた。金正恩の父、正日は、ルーマニアの独裁者、チャウセスクが処刑された当時、黒竜江省に亡命用の別荘を用意したといわれる。北朝鮮を巡る中国のジレンマの核心は、実は東北3省との関係ではないのか。そういう問題意識の解説を、今回の「水爆」地下実験に関連して、自分の知る限り、一人だけコメントした識者がいた。大いに納得させられた。
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