FC2ブログ
Loading…

「SEALDs」と「68年運動家」

Posted by Ikkey52 on 08.2015 評論   0 comments   0 trackback
 ジョン・ル・カレの小説『誰よりも狙われた男』の一節に、ドイツ・ハンブルクの若手美人弁護士アナベラが、親元で暮していたころを回想するシーンがある。
 
 弁護士とはいえアナベラは、「無国籍者および亡命者を保護するキリスト教系慈善団体」サンクチュアリー・ノースの活動に専従している。彼女は、父が外務省の法律担当、母は辣腕検事、兄は精神科医というエリート一家に育ったが、父と母がともにかつて急進派を自認していたことを知っていた。2人は学生運動でバリケードを築き、アメリカ人をヨーロッパから追い出せという垂れ幕を持ってデモをした「68年運動家」だった。学生当時アナベラは、家族の規律に反感を抱き抵抗もしたが、両親は「いまどきの若者は反抗のなんたるかもわかっちゃいない」と嗤っていた。笑ったわけではなく、「嗤った」のだ。

 「68年運動家」という言葉に、訳者の加賀山卓朗は「1968年は西ドイツで社会抗議活動がピークに達した年。バーター・マインホフ・グルッぺ、のちのドイツ赤軍もこの年に結成された」と注釈をつけている。イメージ喚起という意味で、ドイツ赤軍を持ち出したのはわからなくもないが、68年活動家は日本にもフランス、スイス、イタリア、アメリカ、チェコにもいた。もちろん、彼らが登場してくる社会的背景は一様でない。ただ、一党独裁のチェコはいうにおよばず、西側各国で起きた同時多発的な学生運動に共通するのは、既成政党や労働組合による権力奪取運動とは一線を画し、管理されること、禁じられることを徹底して拒もうという抵抗だった。
 
 アナベラの両親に「いまどきの若者は反抗のなんたるかもわかっちゃいない」と言わしめたのと同じ状況が、この夏、日本の国会前で見られた。2015年の流行語大賞を取り損ねたSEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)の存在だ。ネット上には、「運動スタイルの斬新さは認めても、『アベ死ね』などという次元の低い表現には、知性の欠片も感じられなかった」といった声や、「『戦争法案』とレッテル貼りしたあげく、『安保法制で徴兵制が始まる』とまで言うに至っては、妄想の域を出ない」という同世代の意見があった。
http://news.livedoor.com/article/detail/10915002/
 SEALDsのバックに日共=民青がいたことは、やはり間違いないようだ。共産党系の労組ナショナルセンター全労連から集会に使う街宣車を借りていた…、民青の現役委員長、田中某がSEALDsの渋谷デモを先導していた…、リーダーのひとり、奥田愛基が稚拙な日共擁護発言を繰り返していた…、などネットには状況証拠が溢れている。

 日本の68年運動家たちの圧倒的多数は無党派=ノンセクト・ラジカルだったが、たとえトロキストであろうと、、マオイスト、ローザ・ルクセンブルク主義者、構造改革派であろうと、日共=民青に対しては典型的既成権威と見做し打倒対象にしていた。なぜなら、自主独立路線という名の日本型スターリニズムに自らを純化し、党勢拡大のためとあれば、平気で管理する側に与するなど手段を択ばないからだ。

 いまや団塊の世代として老境に入ったかつての68年運動家たちが、実際には少数しかいないSEALDsメンバーを崇め奉るように幾重にも取り巻き、こともあろうに集会参加者の水増しに一役買っている図はなさけない限りだが、ホリエモンこと堀江貴文がSEALDsの本質を喝破して「共産党の新ブランド」と呼んだのには、「嗤った」のではなく笑ってしまった。
スポンサーサイト




  • password
  • 管理者にだけ表示を許可する

trackbackURL:http://ikkey52.blog27.fc2.com/tb.php/295-b7d0bb12

プロフィール

Ikkey52

Author:Ikkey52
ジャーナリスト 札幌生まれ
父方は、奈良十津川郷系+仙台伊達藩亘理系。母方は東三河豊橋系+肥前鍋島藩系+加賀藩系

ショッピング

トラベル

オークション

最新トラックバック

ラビリンス

デラシネ通信

ブログランキング

ブログランキング

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR