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カネと女と大統領選

Posted by Ikkey52 on 05.2015 フィリピン   0 comments   0 trackback
 国民が政治家に求める倫理や道徳は、国柄や時代によって大きく異なる。妾を持つことは男の甲斐性、と開き直れた時期が日本にもあったが、戦後も高度成長期が終わると、宇野宗佑のように、過去の女性問題を持ち出され、選挙で大敗北を喫し首相の座を投げ出す政治家もあらわれる。

 ユーロ・コミュニズムがもてはやされた当時のこと、れっきとした既婚者であるイタリア共産党の書記長が愛人とヨットで戯れている現場をパパラッチに押さえられ、大きく報じられたが、政治的人気には少しの陰りも与えなかったという。ラテンの国民性を物語るエピソードとしてイタリア公使だった外交官から直接聞いた話だ。

 さて、本題にしたいのはアジアのラテン国、フィリピンだ。若いころから頭の上がらない女房に贅沢三昧、靴三昧をさせた独裁者マルコスを、民衆の無血革命で大統領の座から引きずりおろした過去の栄光はあるものの、政治家のカネと女におおらかな有権者気質は変わっていない。例えば1998年に就任した13代大統領エストラーダは、映画のアクションスター出身という異色の政治家だったが、多数の国民は彼の根深い汚職体質と複数の愛人の存在を十分承知したうえで、庶民性以外にこれといった訴求力を持たなかったエストラーダに一票を投じた。実際、自分は一流歌手のジャズボーカルが生で聴けるマニラのラウンジバーで、ステージのかぶりつきに陣取ったエストラーダとド派手な愛人との仲睦まじい御姿を目の当たりにしている。エストラーダの後を襲った女性大統領アヨロは、前任者とは打って変わって有力な閨閥の出だったが、彼女も選挙への公金不正流用疑惑などカネの噂が絶えなかった。童顔で清楚な見かけが空々しいと思う有権者もいただろう。

 反汚職と財政再建を大看板に掲げて登場した現大統領ベグニノ・アキノ三世には、自国領海への中国の事実上の侵略と巨大台風被害の対応に忙殺されたイメージがある。カネと女の問題で騒がれることはなかったようで、国債の格付けが上がるなど、やっと巡航高度に乗ってきたフィリピン経済にとって、来年に迫ったアキノの任期切れは最大の悪材料、と見る向きがある。

  フィリピンでは大統領の再選が禁じられている。来年の大統領選挙まで1年を切ってアキノが誰を後継指名するか、関心の的になっていたが、報道によれば、2010年の正副大統領選でアキノとコンビを組んだものの、副大統領になれなかったロハス内務・自治長官の指名に落ち着いた。財閥の御曹司である一方、祖父が第5代大統領、父が上院議員だったというロハスの政治的な毛並みの良さを措くとしても、前政権でも貿易・産業省のトップを無難にこなしており、行政手腕はありそうだ。

 フィリピン選挙はかならずしも政党本位、政策本位ではなく、日本的感覚からすればかなりの違和感がある。特に大統領選挙は人気投票の色彩が濃く、しかも、過去の行きがかりや節操などかなぐり捨てて、勝ち馬に乗るのが伝統だ。
 現役のマニラ駐在日本人特派員が執筆したと思しきニュースブログ「The Gucci Post」の関連記事によると、ロハスの対抗馬と目される現副大統領ジェジョマール・ビナイは、エストラーダ支持者らに推されているが、マカティ市長を務める息子に汚職容疑がかけられており、もうひとり出馬が取りざたされる女性上院議員グレース・ポーは、2004年の大統領選挙に立候補して敗れた国民的映画俳優であるフェルナンド・ポー・ジュニアの遺児であるという。
 http://guccipost.co.jp/blog/jd/?p=500
 うーん、何やら古い再放送ドラマをまたしても見せられている気分になってきた。
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