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解明すすむ野生ニホンザルの内部被曝と異変

Posted by Ikkey52 on 26.2015 原発   0 comments   0 trackback
 チェルノブイリ原発事故被害の教訓は数知れないが、たとえば、被曝による野生動物への健康被害調査は、動物個体レベルでのトレースに失敗したため、困難になったという。そうした反省をもとに、フクイチ事故後の野生動物の被曝について調べている研究者がいる。日本獣医生命科学大学教授の羽山伸一だ。「グリーン・パワー 14年12月号」の羽山論文から引用する。

 ニホンザルは、世界最北限に生息する野生霊長類で、東北地方の場合、行動域は4-25平方キロに限られている。特にメスは生涯、数十頭の群れを離れずに暮らす。だから、放射性物質による相対的な被曝量が確度をもって推定可能になる。しかも、ニホンザルの寿命は20‐25年あり、低線量長期被曝の健康影響を見るのにふさわしい、と羽山は考える。

 対象とする核種をセシウム134、セシウム137に絞って測定すると、事故直後、4月の福島市のサルでは、筋肉1キロ中、1万-2万5千ベクレルの高濃度を観測した。その3ヶ月後に千ベクレル程度まで下がるものの、12月から再び2千-3千ベクレルに達する個体が見られるようになり、12年春にはまた千ベクレル前後まで減衰した。これと比較するために、青森県のニホンザルも捕獲して調べたが、青森のサルはすべての個体で検出限界(筋肉1キロあたり10ベクレル)以下だった。
 福島市のサルの筋肉中濃度は、その後セシウムの半減期にしたがって徐々に低下しているが、冬期間の濃度の上昇は観測されるという。これは、セシウム濃度の高い冬芽や木の皮を採食するためと考えられる。
 青森県のサルとの比較で福島市のサルは、血球数や血色素濃度などが「有意に」、つまり内部被曝を受けた必然として血液の異変を起こした可能性が推測されるほど低下していた。
 特に幼獣では白血球数と筋肉中セシウム農道との間に「有意な」負の相関が認められた。これには、チェルノブイリ周辺、英ウィンズケール周辺の子供の白血病多発を思い起こさないわけにはいかない。

 上記の研究に対して、「特に海外メディアから多くの取材を受けた」と羽山は記す。白血球の減少はただちに生死にかかわるものではないが、「免疫機能の低下などの潜在リスクをはらんで」おり、羽山は「新たな感染症の発生などで大量死が起こる可能性は否定できない」と動物学者として危機感を持つ。北上山地などのニホンザルは環境省のレッドリストに載せられているからだ。

 いうまでもないが、フクイチ周辺の警戒区域内は汚染レベルが福島市より数十倍も高い。羽山は、警戒区域内に生息するサルの比較や、放射性蓄積レベルの長期的低減に伴って血球数が回復するのかどうか、などの調査にも進みたいとしている。
 
 チェルノブイリ原発事故から4半世紀経ったいまでも、被曝によるヒトや生態系への影響を素直に認めない勢力がある。フクイチ事故についても、「美味しんぼバッシング」のような馬鹿げた現象が実際に起きている。だが現代の天動説は、羽山のような研究者の地道な努力によって、またジワリと追い詰められていく。
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