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「ひょうたん島」と革命歌

Posted by Ikkey52 on 19.2013 音楽   0 comments   0 trackback
 時代の先端をいっている動画系SNSのひとつyoutubeには、いまどきの日常生活ではとんと耳にしなくなった前時代的な革命歌や労働歌の類いもたくさんアップされている。中でも、「インターナショナル」の再生数の多さはちょっと別格で、かつて大ヒットした懐メロ並みの人気を誇る。「~立て 飢えたる者よ 今ぞ日は近し~」の歌詞で始まる、いわゆる、あの「インター」である。

 詞が、権力との闘いを強烈に鼓舞する生々しさを持つのに対して、メロディーには、勇ましさよりもある種の荘厳さ、重厚さを感じる。実際、ソ連の旧国歌だが、「世界で最も広く歌われた国歌」といわれるほど、様々な言語で歌い継がれてきた。社会主義国の男声合唱団では十八番の一曲だが、味わいはそれぞれ違う。もともと歌詞はパリコミューンの年につくられ、その後曲が付いたというが、いずれにしてもフランスがこの歌の故郷だ。

 日本では佐々木孝丸と佐野碩が訳詞にあたり、広く歌われるようになった。ともにプロレタリア演劇人なのが面白い。佐野はソ連で、のちに粛清されるメイエルホリドに弟子入りし、国外追放になったあと、トロツキーの逃亡先だったメキシコに渡り、演劇活動に打ち込んだ。佐々木は戦後、映画、テレビにひっぱりだこの悪役として名を馳せ、特に非情な大資本家や老獪な保守政治家がよく似合ったが、「インター」の原訳詞者、巧みなエスペラント語の使い手、という素顔をそれに重ね合せるのは、かなり難しい。メロディーはAメジャーやB♭メジャーの調性で伝わっている。

 Youtubeから漏れている著名な革命歌に「第七旅団の歌」がある。革命歌の歌詞は一般的に勇猛一色になりがちだが、「第七旅団の歌」には、「~オイラの生まれはここではないが オイラの胸はここに高鳴る~」、「~容赦なく また常に容赦求めず~」、「~妻と老(おい)とを家に残して~」、「~オイラの数は少ないけれど~」など、独特な哀感が滲んでいる。それはこの歌がスペイン市民戦争で歌われたものだからで、マイナーのBメロからメジャーに変わる「~第七旅団のゆくところ ファシストは滅ぶ」という有名なサビが動かぬ証拠だ、と信じていた。ところが、バルタン星人氏のブログ、その名も‐「第七旅団の歌」考‐によると、この歌は、ソ連の劇作家コンスタンチン・シーモノフが書き上げた『プラーグの栗並木の下で』という舞台を、早稲田の学生劇団「自由舞台」が1952年に上演するにあたって、挿入歌として作ったもので、作曲は宇野誠一郎。物語の背景はドイツ占領下のプラハ解放闘争であって、スペイン戦争ではない。「歌詞に関しては、シーモノフ作詞、土方敬太・村山知義共訳、宇野誠一郎補作とするのが適当かもしれない」。
(http://www.asyura2.com/0406/bd37/msg/1192.html)
 
 
 当時、「自由舞台」で音楽を担当した早稲田仏文2年の宇野は、のちに「ひょっこりひょうたん島」はじめ一連の井上ひさし作品や、TVアニメ「ムーミン」のテーマを手掛けたことで知られる。「自由舞台」出身のベテラン俳優、加藤剛は、「第七旅団の歌」について「長い間、自由舞台の団歌と共に愛唱されていた」と証言する。多くの人の心を捉えた名曲ったからだろう。プロの録音がネット上で気軽に聴けないのは何とも残念でならない。
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