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辛坊クルー救出劇の真相とヨットマンの発想

Posted by Ikkey52 on 26.2013 事件・事故   0 comments   0 trackback
 競技ヨットは金も暇もないとできないスポーツと思うが、会社勤めとヨットレースへの挑戦を器用に両立させている友人がいる。彼からメールがあった。「(辛坊治郎クルーを)海自の飛行艇が救助したが、これはTVキャスターゆえの特別な扱いで行なわれたのだろうか。小生の場合にも海自か海保に連絡をとれば救助してくれるものなのかな」。さっそく、調べてみた。
 まず、なぜ海上自衛隊が登場したのか、という疑問だ。原則として、海上で沈没の恐れがあり、人命に危険が及んでいる場合があれば、救助活動を担うのは一義的には海上保安庁だ。しかし、辛坊らが乗ったヨット「エオラス号」が遭難したのは宮城県金華山南東方沖約1200キロ。海面からの救助には通常ヘリコプターが必要だが、ヘリ搭載の巡視船が最寄りの母港から直ちに向かうとして2日はかかる。海保の限界だ。
 そこで、今回の場合、塩釜の第2管区海上保安本部が本部長名で、神奈川県厚木の海上自衛隊航空集団司令官宛てに「人命救助に係る災害派遣要請」を行ったというのが飛行艇出動の真相だ。
 防衛省の公開情報によると、まず第4航空群所属の哨戒機P-3Cが21日午前11時前に現場確認のため離陸。少し間をおいて午前11時半過ぎに第31航空群から国産の救難飛行艇US-2が飛び立ったが、波が高く着水できずに帰投した。二度目のトライは日没に間に合うぎりぎりとあって、哨戒機と飛行艇がほぼ同時に午後3時すぎに離陸した。別のソースは、現場海域の状況について、風速16~18メートル、波の高さも着水限度に近い3~4メートルだった、と推定している。リスクのある任務だ。クルー2人を救出は、防衛省情報によると午後6時14分だった。結局、救出作戦には都合4機が必要だった。
 「ブラインド・セーリング・プロジェクト」と名付けられた今度の航海は、全盲のセーラー岩本光弘と、彼の補佐役を自認するTVキャスター辛坊治郎の2人が、アースマラソンで間寛平の使ったヨット「エオラス号」に乗り組み、8200キロを走り抜けようという企てだった。2人の証言によれば、「エオラス号」は何かに衝突し、浸水したという。同プロジェクトのHPに公開され、海保にも提出されたという、浸水直前の映像を見ると、確かに何かが船底にゴツンとあたったような衝撃音に続き、ヨット上部の造作物が不自然に振動するのがわかる。ただ、波にもてあそばれて空中浮遊の状態になった船体が、海水に叩き付けられたときの衝撃も、ゴツンという感じにはなる。だから、自分のようなヨットの素人には何が起きたのか、判断のしようがない。ともあれ、辛坊という人とは、ずいぶん前だが、同業者の集まりで議論を交わし、グラスを交えた体験もある。個人的には、生還が成ってほっとした気持ちがある。
 「ブラインド・セーリング・プロジェクト」の企画主体となっている「プロジェクトD2製作委員会」は、辛坊のかつての所属先だった大阪・読売テレビ内にある。つまり、純然たるプライベートな努力のみならず、準キー局を含むそれなりの厚い企業サポートがあったのは想像に難くないが、だからといってそれが、今回の救助を「特別扱い」と決めつける材料にはならない。関係者によると、〈海保⇒海自〉の流れで救助作業がバトンタッチされるのは珍しくないからだ。しかも、海自の出番になってもそれは全能ではない。2人の乗組員は、幸運にも紙一重のところを助かったと考えるべきだろう。そんな自分なりの答を友人に返した。
 ヨットに乗る者の基本は「自己責任」で全て乗り切ることだという。現役ヨットマンである友人は、実は辛坊治郎ファンなのだが、と前置きししつつ、「だからこそ、巡視船が来るまでの2日間くらいは救命ボートで頑張って欲しかった」と返信してきた。海の男とは、サド、マゾいずれなのかわからないが、かくも厳しいものか。そして、いかにも芯の強そうな友人の顔を、あらためて思い浮かべた。
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