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プロパガンダには白と黒がある…『はすみとしこの世界 ~そうだ難民しよう!』

Posted by Ikkey52 on 29.2019 文芸批評   0 comments   0 trackback
 「弱い者いじめ」と「レイシズム」には絶対加担したくない、と大抵の人は思っている。逆にいえば、弱い者いじめする奴と決めつけられ、レイシスト呼ばわりされるほど、現代日本で屈辱的なことはない。だから、間違ってもそんな批判を受けないよう、賛否両論が渦巻く問題で意見を求められた場合、私たちは本音を吐露するのについ臆病になる。

 しかし考えてみれば、自由な意見表明は人権を尊重する国の基礎だ。大事な問題をとことん突き詰めないでいて、暮らしやすい社会になるはずがない。
例えば、国籍に関わる権利と義務の問題があった。在特会はヘイトスピーチを繰り広げたことで、左派からはもちろんのこと、保守派からも鬼っ子扱いされたが、彼らが提起した在日韓国・朝鮮人の「特権」なるものが、実際にあったのかなかったのか、つまり、本題についてはさっぱり議論が深まらなかった。

 海外に目を転ずると、中米ホンジュラスの人々が多数難民化しながらアメリカ合衆国を目指し、メキシコになだれ込んだ件があった。不法移民の流入を嫌うトランプ大統領の一連の政策とコントラストを描いたが、さて、冷静に考えてみれば、自ら難民だと主張する人々を無制限に受け容れることは、例え世界一豊かだとされるアメリカにも到底できない。ドイツなどEU諸国のなかには難民受け入れの結果として、費用負担の増大や治安の悪化に悩むところが少なくない。イギリス国民の半数がEU離脱を支持するのは、難民ならぬ移民が自国民の雇用機会を奪っている現実があるからだ。

 世の中、綺麗事だけで渡って行けるなら、こんな楽なことはない。ホワイトプロパガンダ漫画家を名乗るはすみとしこは、イラストという表現手段を武器にして、誰かが言い出しそうなのに、誰も言ってくれないのであれば自分が言おうと決意した。
「綺麗事」の真相を伝えようと考えた。なぜなら、「人は理論より感情を優先させる」ので、「いくら真実を述べる者が理路整然と熱弁しても、民衆は能動的に理解しようとせず、感情に訴えかける簡単なキャッチコピーに耳を傾けて」しまうからだ。感情に訴えるなら、絵は最良最適のプロパガンダツールになりうる。

『はすみとしこの世界 ~そうだ難民しよう!』のあとがきを読んで、西部邁を思い出した。世間一般で言う「ポピュリズム」は、実は「ポピュラリズム」のことではないかと断じ、「人気取り政治システム」としての昨今の民主主義を疑った人だ。
 はすみの主張全てに賛成とは言い難いが、ひとりで戦う勇気ある女性表現者を、ネットの暴力で出版界から締め出そうとする勢力が、この国には存在する。実に卑怯だと思う。
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Ikkey52

Author:Ikkey52
ジャーナリスト 札幌生まれ
父方は、奈良十津川郷系+仙台伊達藩亘理系。母方は東三河豊橋系+肥前鍋島藩系+加賀藩系

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