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せめぎ合う「逃げ」と「追及」…フクイチ事故責任問題の現在

Posted by Ikkey52 on 26.2015 原発   0 comments   0 trackback
 フクイチ事故の責任は誰が負っているのか。そして責任は果たされているのか。あれから4年半…、責任逃れと責任追及が交錯する現状を、月刊誌「グリーンパワー」9月号『環境ウォッチ』がまとめている。

 東京地検は「事故当時の東電トップを業務上過失致死傷罪には問えない」と2度に渡って「不起訴」にした。「大きな津波を予想できなかった」というのが理由だ。しかし、検察審査会は逆に2度「起訴相当」と結論付けたため、指定弁護士が元会長の勝俣ら3人を強制起訴することになった。「万が一にも備えておかなければならない高度な注意義務を怠った」と判断した。
 小さな交通事故を起こしても、刑事罰や民事賠償の責任はついて回る。にもかかわらず、フクイチのケースのような破滅的事故を招いて誰も刑事責任を問われないのは、どう考えても筋が通らない。今後曲折は予想されるが、常識的判断が辛くも通じた意味は大きい。 

 福島の人々が今もなお11万人余り故郷を離れて暮らさざるをえないなかで、電力会社が平気な顔で「原発再稼働」の大合唱をしてはばからないのは、「大きな原発事故を起こしても、個人的に刑事責任は問われないし、株主代表訴訟に敗れた大企業役員のように財産を没収されることもない」と高をくくっているからだ。
 東電トップの責任追及にあたっては、審理のスピードアップと厳しい断罪を期待したい。各地の原発再稼働の流れを食い止める一罰百戒の効果があると考えるからだ。

 果たすべき責任範疇を狭めたり、あるいは責任期間の短縮を狙う動きも急だ。避難指示のなし崩し的解除や慰謝料、損害賠償支払いの打ち切り方針が矢継ぎ早に示されている。「帰還困難区域」以外の避難指示は2017年3月までに解除される。個人の精神的損害に対する慰謝料支払いは18年3月まで。中小零細企業に対する営業損害賠償も17年3月まで。自主避難者の住宅無償提供も17年3月までで打ち切られる。多くの避難者は、慰謝料、賠償金を生活費に費やしている。その打ち切りは新たな生活破壊を生むだけだ。

 帰還先のインフラも不安だ。来月、避難指示が解除される楢葉町では水道水源となるダム湖の底に、高濃度の放射性泥がたまっている。泥の除去は難しいから、きれいだといわれる表面水のみを水源とするというが、そんないい加減な環境下で誰が安心して暮らせるか。飯舘村では面積の75%が除染予定のない山林だ。村は早急な避難解除に反対を表明すると同時に、18年以降の充分な賠償継続を求めて声を上げた。

 いま、全国の25の地裁・地裁支部で、東電を相手取りフクイチ事故による損害の原状回復や慰謝料支払いを求める訴訟が提起されている。原告に名を連ねた被災者の数は1万人以上に達するという。そもそもこれまで慰謝料として払われてきた1人月10万円という金額は、自賠責保険を参考にしたものだった。放射能によってふるさと喪失の憂き目にあった代償としては、値切り過ぎではないか。補償問題などを、和解を通じて解決するはずの原子力損害賠償紛争解決センターでは、和解案を作っても東電に拒否されるので不調に終わるケースが後を絶たない。裁判所よりスピーディに、柔軟に、を目指した救済制度自体が機能不全に陥っているのだ。ついに福島市渡利地区では住民ら3107人が団結し「高い放射線を浴びた代償」として、東電に総額183億円の慰謝料を求める仲介を訴えた。これも原告の強い怒りの表れだろう。
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Author:Ikkey52
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