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フクシマから遠く離れて…ドイツ世論と「菅直人」

Posted by Ikkey52 on 28.2015 原発   0 comments   0 trackback
 以前にも触れたが、フリーライターの矢田海里が、フクイチ事故に関連して、日本の二つの恥、つまり、原発を巡る癒着と汚職の恥と、それを海外経由で知らされる恥について、その真因を執拗に追及し続けている。(「GALAC」 2015年6月号)

 矢田は、ドイツ公共テレビZDFが日本で取材した番組「福島のウソ」に衝撃を受け、そのプロデューサーを務めた西里芙甬子(ふゆこ)にインタビューしている。そこで見えてきたのは、日独のフクイチ事故の捉え方の大きな違いだった。

 「(西里)氏によればドイツ人の多くは当時首相だった菅直人が日本の危機を救ったと考えているという」。たとえば、あるドイツ人の雑誌編集長が菅直人に直接尋ねた折、「どうして日本を救った人を日本人は評価しないのか。紙一重のところで日本を救ったのはあなたなのに」と問いかけた。
 思い返せば、菅が事故直後の混乱期に自らヘリを駆って現地視察を強行したり、東電本店に乗り込んで恐慌状態にあった幹部らを怒鳴り上げるなど、印象的ないくつかの断片情報が、自分にもしたたかに刷り込まれてしまっている。それらは、国家的な危機管理にあたって、最高責任者が取るべき対応として、国民一般が想像していたよりもずいぶん直情径行であって、「首相からして動転してしまっている」という一面的な受け止めを広げる結果になった。

 しかし、その後の経過を見ると、菅は事故の元凶を原子力ムラに見つけだし、脱原発を明確に打ち出した。足元の民主党内には、各地の電力会社から物心両面で支援された議員や、その御用組合の利益代表を自認する議員が少なくなかった状況を踏まえると、菅の突破力はもっと評価されていい。まして、政権が野田‐安倍と変遷するなかで、さしたる国会論議もなく菅の方針はすっかりなし崩しにされ、「原発再稼働、原発の技術輸出、東電の存続」に舵が切られているのは周知の事実だ。「一方、ドイツではメルケル首相が原発廃止を決めたとき、〈…〉日本のような技術大国でも大事故が起きるということは、原子力は人間に制御不能であるとの理由から、廃止の判断になった」。

 矢田はドイツ世論の背景には、チェルノブイリ事故の余波があったと見る。ドイツには当時の事故の汚染で、いまもイノシシの肉やきのこなどをマーケットに出せない地域がある。「子どものときに『食べてはいけない、飲んではいけない』という衝撃的な記憶を持った人々が大人になり社会の前線にいる」。「それが福島から遠いヨーロッパで原発廃止という選択に繋がったのだ」。

 フクイチ事故の際、日本各地で「食べてはいけない、飲んではいけない」といわれた子どもたちが、大人になって社会を支えるようになるまで、エネルギー源としての原発はこの列島からなくならないのか。もし、そこに希望をつなぐしかないと諦めるならば、あの3・11に分別盛りの大人として遭遇した者として、あまりにも無責任だと思う。
  

プロフィール

Ikkey52

Author:Ikkey52
ジャーナリスト 札幌生まれ
父方は、奈良十津川郷系+仙台伊達藩亘理系。母方は東三河豊橋系+肥前鍋島藩系+加賀藩系

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