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社会をおかしくする過剰規制と官僚主義

Posted by Ikkey52 on 20.2015 政策   0 comments   0 trackback
 ヘリコプター搭乗のルールがまた厳しくなり、洋上を飛行する際のライフジャケットの着用が義務づけられたと聞いた。ヘリはメインローターが回らなくなっても自動車のギアでいえばニュートラルにすることで竹とんぼの原理が働き、ドスンと墜落することはないのだと昔教わったが、軟着陸できたという例は寡聞にして知らない。まして凍りつくような厳冬の海に投げ出されれば仮に墜落の衝撃で死ななかったにしろ、助かる望みは万にひとつもなかろう。そもそも人がヘリに乗って墜落する率は、車を一般道で走らせて事故に遭う確率よりも圧倒的に小さい。ライフジャケットを着たければ、着ればいいだけの話だ。どう見ても、無能な官僚が自分たちの存在理由のためにつくった「規則のための規則」だ。

 車のシートベルト違反摘発にも疑問を持ってきた。運転者と同乗者を守るため、車にシートベルトが装備されているのはいいことだ。事故の際、大怪我をしたくない人は装着すればいい。同乗者にも勧めればいい。そうは思わず、うっとうしいと感じるならしなければいい。もし装着を怠ったことで悪い結果が出たら、自分を恨めばいいだけだ。救急車の隊員、搬送先の医師は、その手の患者に見合った対応で十分だし、そうでなかったからといって責めを負わないとすれば、無駄な治療費がかかるわけでもない。本来はそういうものではないか。当事者でもない他人にとやかく言われる筋合いはないし、まして警察官から咎め立てされ、罰金まで取られる道理はない、と思っている。第三者に迷惑をかける蓋然性がかなり高まるスピード違反や、酒酔い運転、信号や標識の無視とは根本的に違うのではないか。

 シートベルトの未装着を社会悪と決めつけたのは警察庁だ。たしかにシートベルトの強制は全国の交通事故死者数を減らす効果を上げた。ただし、その効果がわかれば、何も罰則をちらつかせ無理強いしなくとも、装着する人は増えるはずだ。高速道路の入り口で警察の高機隊員はノルマが課されているのか、鵜の目鷹の目でシートベルト違反を探そうと車内を覗き込む。実に威圧的で不快だ。
 警察から発表される交通事故死者数が一時期に比べ減ったのは、なにもシートベルトやエアバッグ普及のためだけではない。統計上の死者の定義を「事故後24時間以内に亡くなった人」に限ったことが大きい。25時間後に死亡した人は死因が100%交通事故によるものでも交通事故死者とはカウントされなくなった。ある種のデータ細工と呼んでいい、いかにも官僚的な取り繕いだ。

 空の便や鉄道など公共交通機関のキャンセル、運休が増えたのも、過剰規制によるものだ。荒れ模様の予報が出るたびに、こんなに頻繁にストップしていたのでは、移動手段の大動脈たりえない。飛行機の場合、激しい降雪で滑走路と機体の除排雪に手間取ることはかつてもあった。それでも吹雪の間隙をぬって離発着してくれたから、利用者は今日の規模まで増えた。積雪寒冷地を走るJRにも、荒天にめげず目的地まで運んでくれるという信頼があった。やろうと思えばできるのに、規則がそれを阻んでる。大勢の人の命を預かって操縦や運転にあたる誇り高い職業人たちの労組が弱体化したことも関係しているのだろうか。いや、この国に、グローバリズムがまるで正義であるような幻想が蔓延し、欧米並みの訴訟社会に変質するなかで、事なかれ主義の跋扈を許したためだろう。いや、訴訟社会化、賠償の高額化こそ元凶なのかもしれない。だれがそうしたか。乗る人の利便性は置き去りだ。
 
 そもそも、メディアの天気予報がこのごろ人騒がせだ。雪国では猛吹雪など日常茶飯事。本来は誰も驚かなかったものだが、昨今のメディアのノリに煽られて人は不安を募らせるようになった。これなどもテレビの場合、監督官庁である総務省の意を迎えた動きだろう。
 高校まで札幌で過ごしたが、冬場の天気予報など気にもしなかった。漁師などを除けば、たいていの大人たちもそんなところなのではなかったか。3・11以来減災報道が叫ばれるようになったが、減災とは結局個人の問題ではないのか。それがどこまで必要か。個人の減災のために、最大多数が不便になる社会はそれでいいか。重戦車の狭い内部に閉じこもって確保されるような安全が、どうして幸せなのか。官僚の自己保身と、SNSの「叩く表現の自由」に、なぜ、してやられるままになっているのか。自分の命を自分の選択によって守る権利が、どんどん浸食されていることに、言い知れない息苦しさを覚えている。

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Author:Ikkey52
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父方は、奈良十津川郷系+仙台伊達藩亘理系。母方は東三河豊橋系+肥前鍋島藩系+加賀藩系

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