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「山菜採り前線」の憂鬱…森の放射能汚染はいま

Posted by Ikkey52 on 09.2014 原発   0 comments   0 trackback
 ロシアの人々は、きのこやベリーなど森の恵みを無駄にせず、こまめに採取しては食卓に乗せる伝統を持っている。だから、チェルノブイリ原発事故で放射性物質が広く拡散された際には、人々が森から直接調達する食糧の汚染が大きくクローズアップされた。福島の場合はどうなのか。

 農林水産省所管の独立行政法人森林総合研究所で「放射性物質影響評価監」の肩書を持つ赤間亮夫が雑誌「グリーン・パワー」5月号に寄稿している。それによると、2012年と2013年で山菜が含有する放射性セシウム濃度を比べたとき、必ずしも減少傾向にあるとはいえないというデータが出た。怖い話だ。

 「種別に見てみると、(若芽が人気の)コシアブラは空間線量があまり高くない場所でも、強く汚染されている場合がある。また、イワガラミあるいはツルアジサイは採取したいずれの箇所でも強く汚染されている山菜であった」。
 つまりは根の部分から放射能の吸収量が多いということになる。フクシマ事故のあった2011年に直接汚染された葉や茎がすでにないからといって、安全だというわけではないのだ。もちろん、若芽を食べるのだから問題ないと考えるのも誤りだ。

 「山菜の生育地で見ると、谷間のような集水地形は、水とともに放射性セシウムやそれを含んだ枯死有機物が集まりやすいところがあり、このような集水地形(窪地や谷型をした地形で、地表面水や地下水が集まりやすい場所)に生育する山菜の放射能は高濃度である場合がある。ゼンマイは、集水地形に生育している場合に汚染されていることがある」。
 2012年に厚労省が食品に設定した放射性物質の新基準値、「1キログラムあたり100ベクレル」がヒトの健康を守るのに十分かどうかはさておくとして、商品として採取され、あるいは販売される山菜であれば、汚染度を計測して出荷を制限することもできる。だが、自給用の摂取については何の歯止めもない。

 「春は植物の生長が盛んな季節であり含有成分の濃度変化が激しいので、はっきりしたことを言うのは難しい。ただ、空間線量が年々減少する傾向にあるのに対し、土壌に移動してきた放射性セシウムが山菜の根によってまだまだ吸収され続けているのかもしれない」。
 国の機関に属する研究者の文章だから、表現が抑制的に傾きがちなのを割り引いても、福島の森がいまだに内部被曝の危険に満ちていることは、ストレートに伝わってくる。

 赤間の調査対象外ではあるが、きのこも、地中深く菌糸を伸ばしているから、土壌の放射性物質を取り込む性質があるので注意が必要だ。特にアミガサタケにはセシウムを濃縮する特異な性質があるとされる。また、昨年秋には、福島から遠く離れた静岡の富士宮市でも食用のきのこ、ハナイグチから基準値を超える放射性セシウムが検出され、市は野生きのこ全体の採取、出荷、摂取を自粛するよう呼び掛けに追われた。「山菜採り前線」は列島を北上しているが、福島に近くなくても油断はできない。
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Author:Ikkey52
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父方は、奈良十津川郷系+仙台伊達藩亘理系。母方は東三河豊橋系+肥前鍋島藩系+加賀藩系

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