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グァム無差別殺人のウラに何が!?…もうひとつのフィリピン

Posted by Ikkey52 on 16.2013 事件   0 comments   0 trackback
 自分のたった一度のグァム体験は、惨憺たるものだった。観光でも、友人の結婚式参列のためでもない。殺人事件の取材だったからだ。
 前夜、マニラの自宅に東京からかかってきた電話でたたき起こされた。グァム長期滞在中の邦人夫婦が殺された。単独で現地に入ってほしい、という。東京から取材班が入れないか。あすは、半年間交渉を重ねた末、やっと巡ってきたイメルダ・マルコス元大統領夫人の単独インタビューだ。タイミングが悪すぎる。いや、こっち(東京)も手薄なんだ。そんなやり取りの末、押し切られて、東京から入るカメラマンと現地で合流することになった。
 イメルダ夫人は赤い色がお気に入りだ。単独インタビューのために真っ赤なシャツを用意していた。その出番はもうないかもしれない。観光地特有の華やいだ空気につつまれたグァム国際空港に降りたったときのしらけた気分を今も思い出す。

 私たち即席の取材チームがチャーターしたタクシーの運転手はフィリピン人だった。私がマニラから飛んできたというと、運転手氏は喜んでしゃべり出した。グリーンカード(外国人永住権)を取るまで苦労したが、グァムで懸命にドルを貯め、マニラに老後のための住宅も用意できた、と聞き覚えのある住宅地の名を挙げた。時間があったら、家に寄らないか。フィリピンの話をしよう…。人懐っこいおっさんだった。

 容疑者はあっさり逮捕された。チャモロ系であり、被害者たちとは面識はなさそうだ。動機さえわかればニュース取材としては一件落着する。身柄のある警察署に向かった。警察の対応がオープンなことに驚く。日本の警察の、特に初対面の取材者に対するガードの堅さを考えると、雲泥の差だ。身柄を拘束されたのは、誰で、いつからで、理由はなんなのか、聞きたいという市民に誠実に開示することは、民主主義の基礎だとは知ってはいたが、さすがに合衆国憲法の精神が効いている。グァムはアメリカの準州なのだと、あらためて気づかされた。

 ところで今月12日、グァムで起きた無差別殺傷事件。秋葉原での凶事がダブる。現行犯で逮捕されたチャド・デソト(21)は、名前、顔つきからしてすぐにフィリピン系だとわかった。調べてみると、グァムでフィリピン系は原住民のチャモロ人に次いで多く、人口の25%を占める。そんなにいたのか。動機はまだ不明だが、薬物絡みのにおいもないではない。デソトは、フィリピンに何らかの根っ子を持っていたのか、それともグァムで何世か代を継いできた家庭の出か。前者と後者では、夢の有り様がまるで違うような気がする。

 あすは東京とマニラに分かれて戻るというグァム最後の夜、数日の取材行をともにし、睡眠不足を強いたディレクターの責任として、カメラマン氏、VE氏を初めて落ち着いた夕食に誘った。もちろん、仕事が殺人事件取材であり、派手な打ち上げという雰囲気ではない。結局、グァムの街中のありふれた韓国バーで静かにグラスを傾けたが、ペソの国からやってきた身にドル・ベースの勘定書きはいかにも高かった。翌朝、ホテルのチェックアウトでも、あまりの高額請求に泣かされた。出発当日の手配で、ホテルと航空券のセットでブッキングできなかったのが敗因だが、それにしてもボリすぎではないか、とさすがに熱くなる。予想外に軽くなった財布を抱え、出稼ぎ凱旋組のフィリピン人たちで満席状態のマニラ便に乗り込んだ。
  

プロフィール

Ikkey52

Author:Ikkey52
ジャーナリスト 札幌生まれ
父方は、奈良十津川郷系+仙台伊達藩亘理系。母方は東三河豊橋系+肥前鍋島藩系+加賀藩系

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