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外国メディアが見た原発事故

Posted by Ikkey52 on 25.2011 原発・ジャーナリズム   0 comments   0 trackback
 日韓中テレビ制作者フォーラム第十一回大会をのぞいてきた。放送文化基金やら「放送人の会」やらの仕掛けと聞けば、なにやらNHK臭くもあり、TBSっぽくもある。それは承知のうえだっだが、「ドキュメンタリーは大震災をどう描いたか」、をテーマにして各国ふたりずつ登壇したパネルディスカッションの日本側代表は、案の定、NHKとTBSだったし、後日の放送を前提にその模様を収録していたのはNHKだった。

 それでも収穫はあった。TBSテレビの金平茂紀執行役員が例の調子で、テレビ・ジャーナリズムの立場から、撃つべきターゲットはしっかり撃っていたからだ。金平から権力監視云々と論議の矢が放たれると、中国側パネリストは居心地わるそうだったし、韓国側も国の大きな河川開発が報道タブーになっていることを認めた。金平の隣に座ったNHK解説委員でキャスターの鎌田靖が、終始ジャーナリズム論に踏み込むのを避けていたのは滑稽だった。

 いまの日本のニュースは、訳知り顔のキャスターが、震災被災者に対して、こそばゆくなるようなおべっかを安売りするばかりで、国や東電による大本営発表の壁を突き崩そうという気概がさっぱり感じられない。弱者に寄り添うといえば聞こえはいいが、実際は底なしの大衆迎合主義がテレビ局の論調に幅を利かせているだけだ。

 しがらみのない外国メディアが今度の大震災関連の動きを取材してまとめるとどうなるか。韓国の取材者が、日本のテレビメディアが伝えていなかった動きをドキュメンタリーの中で拾っていた。たとえば、環境保護団体グリンピースが独自に行った放射線量の調査や、浜岡原発の電力とトヨタの生産ラインの関係などは、日本のテレビはまるで伝えてくれない。グリンピースやシーシェパードの連中のやることは、そもそもバイアスがかかっている、と日本のテレビは決めつけ、報道しなかったのだろうが、視聴者への判断材料の提供は、テレビ報道の本来の役割であり、ひとつの調査データとして紹介する意義は十分あったはずだ。「国内の反原発デモをどうして報じないのか」と不思議がる韓国のテレビ製作者の言葉は、日本のテレビ報道の歪みを端的に言い当てていた。

 福島から北海道に避難してきているという被災者の女性が、客席から発言を求めた。ほんとうのことを伝えない日本のテレビに、彼女もまたいらだっていた。福島第一原発だけでなく、第二原発も相当危ない状態にあったとされるが、そのことはほとんど報道されたことはない、と。彼女は第二原発近くに暮らしていたそうで、だとすれば、彼女たちにとって第二原発関連の情報が死活的な意味を持っていたのは当然すぎるほど当然だ。

 客席には、日本を代表するドキュメンタリストで、熊本放送出身の村上雅通の姿もあった。自身がライフワークとして取材した水俣病問題の成り行きを振り返りながら、村上は、放射能汚染の問題を被害者への補償額の話に矮小化させないために、テレビ報道は役割を果たすべきだ、と指摘していた。ローカルの視点から、国に連なる権威を撃ってきた練達の表現者の言葉だけに、深い残響を伴って聞こえた。
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Author:Ikkey52
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