FC2ブログ
Loading…

佐多岬半島でいま起きていること~愛媛県知事の奇説を問う~

Posted by Ikkey52 on 22.2015 原発・社会   0 comments   0 trackback
 22日のTBS「報道特集」は伊方原発再稼働問題を取り上げていた。映像がなければはじまらないテレビメディアが、合法的に原子力施設内部にアクセスできる手段は限られている。広報責任者がつきっきりで原発施設の改善点なるものをお仕着せ解説するのだが、しらけるばかりだった。

 それでもカメラは正直なもので、わすか70人しか参加しない避難訓練では、「本番さながら」とはほど遠い弛緩した空気を掬い取っていた。原発が東に立ちふさがるため四国本島側への避難が不可能な佐多岬半島の住民たちは、海に活路を見出すほかないが、津波になれば港は使えない。日頃から漁業と密接な暮らしをしている人たちは、そのことを熟知している。計画自体のズボラさをあらかじめ見透かされていたのだ。

 伊方は四国唯一の原発であり、したがって愛媛は唯一の原発立地県だ。ここは伊方の再稼働にゴーサインを出した知事、中村時広の考えを質すしかない。番組のメインキャスター金平茂紀が満を持して切り込むと、中村は「伊方原発に津波の心配はない」とあっけなく言い切った。
 予知連の会長自らが、「今の技術水準では、地震も津波も結局のところ、残念ながら正確には予知できない」と、トップレベルの科学者らしい謙虚さで述べているのに、「津波の心配はない」などとよく言えたものだ。なぜこうした楽観が生じるのか、その源流が気になって、中村がやっているブログをチェックしてみると、フクイチ事故直後に、伊方の安全性について踏み込んだことを書いている。長いので以下要約する。(中村時広ダイアリー2011・3・17より)

 「東日本大震災はプレート型地震で、海底1万メートルという深いところが震源になったため、大津波につながった。愛媛近くでプレート型地震があるとすれば、四国南方沖を震源とする南海地震だが、これは伊方と遠く、また伊方は内海なので、東日本大震災の津波のようなことにはならない。もし、伊方原発の前面海域でマグニチュード7.8の地震が発生した場合(断層のタテずれ)でも想定波高は4.25メートル。フクイチは太平洋に直接面し、海抜6メートルに立地されていたのに対して、伊方の海抜10メートル。だから、津波より地震に備えておけばよい」。 
http://www.tokihiro.jp/diary/diary_20110317.html 
 
 バカバカしいので、くどく言うつもりはないが、伊方原発は、北に日本最大級の断層系である中央構造線が走り、南に大規模な地震発生源の南海トラフが走っている。これは常識。またプレート型地震の規模は大きく、断層型地震は小さい、とは一概に言えない。阪神淡路大震災を忘れてもらっては困る。一方、2013年に内閣府の中央防災会議が予測した南海トラフ地震発生時の佐多岬半島の津波は最大20メートル(満潮時)に及んでいる。これも常識だ。
 県民の命と暮らしをどう守るかは、知事の最も重要な職責のはず。学者でもないのに、中途半端な学説解釈を振り回す自治体首長は誰のために仕事をしているのだろう。
スポンサーサイト



憲法が導く人格権と大飯原発差し止めの論理

Posted by Ikkey52 on 26.2014 原発・社会   0 comments   0 trackback
 9条ばかりが注目されがちな日本国憲法だが、13条の幸福追求権、25条の生存権あたりは、実際なかなか光が当てられてこなかった。
 25条の生存権で思い起こすのは朝日訴訟。朝日といっても新聞社のことではない。朝日茂という重い結核患者が、岡山国立療養所に長期入院しながらたった一人で1957年に国を相手取って起こした訴えで、生活保護給付金水準の低さを問う内容だった。原告の朝日が依拠したのは憲法25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」といういわゆる生存権条項。25条は単に目指すべき国の目標を定めている(プログラム規定)にすぎないのか、それとも具体的な権利を保障するものなのか、論議を呼んだ。かつては中学、高校で誰もが教えられたし、法学部の大学生なら憲法学や法社会学でもっと深く学んだはずだが、いまはどうなのだろう。審理経過を読むと、パンツは年1枚で足りるか、チリ紙は月何枚でよいかなど、当時の生活保護水準の低さを偲ばせる話が頻出しやりきれなくなる。

 13条の幸福追求権、25条の生存権などから導かれるのが「人格権」であり、この人格権は「公法、私法を問わず、すべての法分野において、最高の価値を持つとされている」から、「本件訴訟(関西電力・大飯原発3,4号機差し止め請求)においてもよって立つべき解釈上の指針である」と判示したのは福井地裁だ。先月21日の住民勝訴の画期的な判決は、すでに多くのメディアやSNSで語り尽くされた感があるが、あえてもう一度なぞっておきたい。

 「原子力発電技術においては、いったん大事故が起これば、その事故現場に立ち入ることができないため、事後原因を確定できないままになってしまう可能性が高く、福島事故においてもその原因を将来確定できる保証はない」。
 問われているのは、大飯原発の再稼働ばかりではなく、福島第一もまた被告席から退去を許されていないのだ。なぜなら、いまだに福島の原子炉内で何が起きているか調べられないではないか…。この明快な認識がすごい。
 「多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題を並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断するのは許されない」。
 原発は電力需要者の懐具合や特定地域の金回りの問題ではなく、周辺住民の生存に関わる問題であるということ。
 「原発の稼働は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由に属するものなので、憲法上は人格権の中枢より劣位に置かれる」。
 原発はたかだか発電の一手段ではないか。その程度のものが、同時代を生きる人の生命・財産・健康を脅かし、土地や海、大気を汚染して生産手段を奪い、生活基盤となっていた先祖代々からの地域共同体を解体させ、さらには次世代へ廃棄物処理費用などの巨額のツケを残す…。フクシマ事故の授業料がどれほど高くついたことか。憲法が保障する人格権の前では、電力会社の「経済活動の自由」など徹底的に制限されるべきだ。

 おりから原発を持たない沖縄電力を除く全国電力9社は26日、一斉に株主総会を開いたが、過去に一度も株主提案がなかった北陸電力を含め、全社で脱原発を求める事前の株主提案があった。各社はいずれの提案も否決し、判で押したように再稼働を目指す方針を説明したという。電力会社の経営者たちはリーガル・マインドという重要な企業理念をご存じないらしい。

いやな感じ…知事・原発・国策捜査

Posted by Ikkey52 on 18.2013 原発・社会   0 comments   0 trackback
 検察のモットーといえば秋霜烈日。秋の厳しい冷え込み、夏の苛烈な暑さにも耐えて、託された職責を果たすこととされるが、厚労省村木局長冤罪事件で露呈したように、最近では事実認定の精度より上司の覚えを気にかける点取り虫の小役人集団になり下がっているようだ。にもかかわらず、裁判では、検察側の「起訴事実」がそのまま確定判決の「事実」になるケースが圧倒的だから、危なくて仕方がない。現場の検察官が宮仕えなら、その上司たちもまた宮仕えの身。出世主義の上司と、それに迎合する部下が検察のピラミッド内で増殖すれば、組織のトップの検事総長以下、次長検事、検事長までが認証官だから、時の政権にとって都合の良い国策捜査が簡単に生まれる素地ができる。

 国の原発政策に異を唱えたために、国策捜査の魔手にかかって、知事の座を追われたうえ、身に覚えのない収賄の罪に問われ、受け取った額が「0」であったことが証明されたのにもかかわらず、有罪にされた首長がいる。福島県知事を5期務めた佐藤栄佐久だ。佐藤の関係者に対して、検察は任意聴取とはいえ、いちいち福島から東京まで呼び出しをかける。それだけでも消耗する。佐藤の肉親も、後援会幹部も、精神的にみな追い詰められた。

 元は自民党参院議員である佐藤は、東電から福島第一、福島第二のプルサーマル計画を打診され了承したが、プルサーマルで燃やすMOX燃料のデータ改ざんなど東電の不誠実な対応が発覚すると、安全性が確保できないとして了承を撤回した。これに対して、経産省は、国が安全とみなした原発を県の意向で運転しない場合は、交付金をカットする、と圧力をかけてきた。佐藤は、交付金が出る出ないに関わらず、今後も県が独自に安全確認する方針に変更はない、と動じなかった。

 国策捜査は、佐藤の実弟(当時、縫製会社を経営)逮捕から始まった。土地取引を巡る競売入札妨害の疑いだ。佐藤は道義的責任を取らされ、知事を辞職したが、やがて東京地検特捜部から佐藤自身に収賄の疑いがかけられる。「実弟が水谷建設に仲介させて前田建設に売った土地代金は水増しされており、その水増し分は佐藤に渡り、選挙資金になった。前田建設が県内のダム工事を認めてもらう見返りだった」とのシナリオが用意された。裁判では、佐藤が金を受け取った証拠はおろか、出所不明の選挙資金も見つからないのに、佐藤の有罪は覆らなかった。ちなみにこの捜査で水谷建設会長や県幹部の調書を巻いた(直接取り調べた)主任検事こそ、のちに厚労省村木局長事件で証拠改ざんを行い、証拠隠滅罪に問われてクビになる大阪地検特捜部の前田恒彦だった。

 現在、徳洲会が公選法違反で大掛かりな摘発を受けている。本丸の徳田虎雄にもついに捜査の手が伸びた。考えてみれば、徳田ファミリーの金権・組織ぐるみ選挙は神代の昔からで、なにも今に始まったことではない。それがどうしてこのタイミングで、しかも徹底的にやるのか、検察の真意を計りかねていた。そこにこの秋、「サンデー毎日」が思わせぶりな記事を掲げた。徳洲会への捜査は、東電柏崎刈羽原発の再稼働に同意しない泉田新潟県知事をターゲットにしたものだ、と。信憑性はいまだに不明だが、泉田はその後の記者会見で、「第2の佐藤栄佐久氏になると思ったことはないか」と問われ、「ありますね」と答えている。サン毎記事のせいか、それとも他の理由か、泉田が何らかの風圧を感じているのは間違いない。
http://tanakaryusaku.jp/2013/09/0007943
 
 「国策捜査」の名付け親である鈴木宗男の事件に連座して有罪が確定した佐藤優が、「国策捜査の標的にされたが最後、残念ながら、どうやっても勝つことは出来ない」という意味の発言をしていたのを思い出す。
 なんとも嫌な感じがしてたまらない。
  

プロフィール

Ikkey52

Author:Ikkey52
ジャーナリスト 札幌生まれ
父方は、奈良十津川郷系+仙台伊達藩亘理系。母方は東三河豊橋系+肥前鍋島藩系+加賀藩系

ショッピング

トラベル

オークション

最新トラックバック

ラビリンス

デラシネ通信

ブログランキング

ブログランキング

検索フォーム

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR